コラム COLUMN
ホワイトラベルとは?化粧品ブランドで活用する際の注意点とODM相談時の確認項目
目次
【この記事でわかること】
- ホワイトラベルとはどのような製造・販売手法なのか
- ホワイトラベルが向いているケースと注意点
- 表示設計、品質管理、薬機法確認で押さえるべきこと
- 企画提案型ODMメーカーに相談する際の整理項目
「既存品に自社ブランド名を付けて販売できる」と聞くと、手軽に化粧品ブランドを始められる印象を持つ方もいるのではないでしょうか。この方法をホワイトラベルと呼びます。ゼロから処方を開発する方法と比べると、検討すべき工程を絞りやすいです。
ただし、化粧品は肌や髪に直接使用する製品であり、名称及び住所、販売名、成分、内容量、用法用量、使用上の注意など、企画段階から確認すべき項目が多い分野です。ホワイトラベルを選ぶ場合も、単にパッケージを変えるだけで販売に進めるとは限りません。
この記事では、ホワイトラベルの仕組みを整理したうえでホワイトラベルを活用する際の確認事項、企画提案型ODMメーカーに相談する際の確認項目を解説します。
ホワイトラベルとは既存品を自社ブランドで販売する手法
ホワイトラベルとは、すでに開発された製品に、自社ブランドを冠し、独自のパッケージデザインを施して販売する手法です。化粧品分野では、OEMメーカーやODMメーカーが用意している既存処方、既存仕様、既存ラインナップを活用し、ブランド側がパッケージや販売方針を整えて商品化することを指します。
ゼロから処方を作らない点が特徴
ホワイトラベルの特徴は、ゼロからのオリジナル開発ではなく、すでに実績のある既存の処方や仕様をそのまま活用する点です。ブランド側は、製品カテゴリー、ターゲット、価格帯、販売チャネル、パッケージデザインなどを検討し、既存処方とブランドの方向性が合うかを判断します。
化粧水、乳液、クリーム、パウダーなど、既存のラインナップから製品を選ぶ場合は、処方開発にかかる期間を短くしやすい一方、成分や使用感の独自性は限定されやすくなります。どこまで自社らしさを出したいかを、最初に決めておくことが重要です。
販売元としての責任は残る
ホワイトラベルでは製造工程を委託できても、ブランドとして販売する以上、表示や広告表現の確認は避けられません。化粧品には、名称及び住所、販売名、成分、内容量、用法用量、使用上の注意など、製品ごとに確認すべき表示事項があります。
製品の中身を既存処方から選ぶ場合でも、容器や箱などのパッケージや、広告(ブランドサイト、LP、SNS、CM、雑誌)に記載する表現が56項目の化粧品の効能の範囲を超えていないかを確認することが必須です。薬事・表示担当者と早い段階ですり合わせることで、販売直前の修正を減らしやすくなります。
ホワイトラベルが向いているケース
ホワイトラベルは、化粧品ブランドの立ち上げ方のひとつです。ただし、どのブランドにも合うわけではありません。販売計画、ブランドコンセプト、差別化方針、表示設計の体制を確認したうえで、採用するかを判断します。
短いスケジュールで高スペック製品を発売できる
既存処方を活用する場合、ゼロから開発を始めるよりも大幅に納期を短縮できます。すでにSPF・PA試験や敏感肌向けのパッチテストが完了している処方、あるいは医薬部外品の承認を得ている処方を選べる場合、試験費用や申請期間を抑えながら、エビデンスのある製品をスピーディに市場へ投入しやすくなります。
ただし、既存処方を選ぶ場合でも、容器との相性や薬事(表示・広告表現)の確認は必要です。発売日から逆算して資材の納品日を確認し、仕様確認、表示確認、デザイン入稿、校了までのスケジュールを組む必要があります。
まず小ロットでブランドを検証したい場合
新規ブランドやEC中心の販売では、最初から大きな製造数量を抱えるよりも、ブランドの方向性や販売チャネルを検証したい場合があります。ホワイトラベルは、既存処方を使うことで検討範囲を絞り、テスト販売の設計を進めやすい方法です。
ただし、初回ロットは剤型、包装資材、ODM・OEMメーカーのキャパシティによって変わります。希望数量や初回ロットは、打ち合わせ時に確認しておくことが大切です。
処方よりもブランド設計に注力したい場合
ブランドの世界観やターゲット、デザインの方向性に注力したい場合も、ホワイトラベルは有効な選択肢です。処方開発をスキップできる分、コンセプトや販売戦略の組み立てに注力できます。
ただし、処方そのものでの差別化が難しい分、ターゲット設定や価格帯、パッケージの見せ方を明確にし、競合との違いをはっきりと打ち出す必要があります。
ホワイトラベルで製品化する際の注意点
ホワイトラベルは、短いスケジュールで商品化を目指しやすいものの、既存処方を使うからこその制約があります。採用前に、独自性、品質管理、表示設計の3点を確認しておくことが重要です。
中身の差別化には限界がある
ホワイトラベルでは、既存処方を使うため、処方そのものの独自性は限定されます。同じような処方を他社が使う可能性もあるため、パッケージ、販売チャネル、ブランドストーリー、使用シーンの設計で違いを出す必要があります。
天然由来、高保湿といった表現はもちろん、特に「敏感肌向け」の訴求は、パッチテストやスティンギングテストといった客観的なエビデンスが必要です。ホワイトラベルを選ぶ際は、それらが事実であるか、試験が完了している処方かどうかを確認し、データに基づいた適正な広告表現を組み立てる必要があります。
品質管理体制を確認する
既存処方を使う場合でも、品質管理体制の確認は重要です。製造工程、原料や包装材料の管理、品質検査、お客さまからのお申し出対応、回収時の連絡体制などを確認しておくことで、販売後のトラブルを防ぎやすくなります。
ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))やISO 9001(国際的品質保証規格)などの取得状況は、品質管理体制を確認する材料のひとつです。ただし、規格名だけで判断せず、実際にどの工程をどのように管理しているかまで確認しましょう。
表示設計を早めに進める
ホワイトラベルでは、パッケージデザインを後工程で考えがちですが、表示設計は企画段階から確認する必要があります。製造販売元の名称及び住所、販売名、成分、内容量、用法用量、種類別名称、使用上の注意(含:保管及び取り扱い上の注意)、問い合わせ先、識別表示など、製品仕様によって確認項目が変わります。
ホワイトラベルを進める前に整理したい項目
ホワイトラベルを検討する際は、既存処方を選ぶ前に、ブランド側の条件を整理しておくと打ち合わせが進めやすくなります。製品選定だけでなく、発売後の運用まで見据えて準備しましょう。
【ホワイトラベル検討時の整理項目】
| 項目 | 確認する項目 |
|---|---|
| 剤型 | 化粧水、乳液、クリーム、パウダーなど |
| ターゲット | 年齢層、肌悩み、購入チャネル、使用シーン |
| 価格帯 | 上代、卸価格、販売チャネル別の価格設計 |
| 訴求ポイント | 使用感、成分の配合目的、ブランドストーリー |
| 仕様 | 容器、化粧箱、封シールの有無、ロット印字位置、中外装の希望入数、中外装の印刷の有無 |
| 必要表示 | 名称及び住所、販売名、成分、内容量、用法用量、種類別名称、使用上の注意(含:保管及び取り扱い上の注意)、問い合わせ先、識別表示、見本・試供品の旨、その他留意する必要のある製品(日やけ止め化粧品、染毛剤、危険物、エアゾール製品 等) |
| 希望数量 | 初回ロット、ODM・OEMメーカーのキャパシティ、シリーズ製品の予定 |
| スケジュール | 薬事確認にかかる日数、資材のリードタイムと納品日、デザイン入稿日と校了日、製品の納品希望日 |
ブランドコンセプトを先に決める
既存処方から選ぶ場合でも、ブランドコンセプトが曖昧なままでは、製品ラインナップの判断がぶれやすくなります。誰に、どのような場面で使ってもらうのか、どの価格帯で販売するのかを決めておくことが大切です。
コンセプトが決まっていると、処方選定、包装資材、表示内容、広告表現の優先順位を付けやすくなります。複数の商品を同時に検討する場合も、シリーズ製品としての一貫性を確認しやすくなります。
必要表示の担当範囲を明確にする
ホワイトラベルでは、製造元、製造販売業者、販売元、ブランド運営者の役割が混同されやすくなります。誰が製造販売業者になるのか、表示内容を誰が確認するのか、広告表現の確認範囲はどこまでかを、契約締結前に整理しておきましょう。
自社ブランドの発売方法に迷ったら
企画提案型ODMも検討する
ホワイトラベルは、OEMやODMの既存処方を活用して自社ブランドとして販売する方法です。短いスケジュールで販売開始を目指しやすいものの、処方の独自性、品質管理、表示設計、広告表現の確認には注意が必要です。
ブランドらしさがある処方や製品仕様から作り込みたい場合、ホワイトラベルだけでは要件を満たしにくいでしょう。その場合は、ODMメーカーの提案処方をベースに、ブランド設計、容器を含めた包装資材、表示設計まで調整する方法もあります。
ピカソ美化学研究所は、創業1935年から化粧品の研究開発・企画・製造に取り組んできた企画提案型ODMメーカーです。国内外の研究開発・製造拠点を活かし、ブランドの構想段階から処方、容器を含めた包装資材、表示設計、品質確認、出荷・納品後のフォローまで支援いたします。
ホワイトラベルとして始めるべきか、OEMやODMで独自性を出すべきか迷う場合は、剤型、ターゲット、価格帯、訴求ポイント、希望数量、スケジュールを整理したうえでご相談ください。
