コラム COLUMN
化粧品ブランドの立ち上げ方|ODMメーカーと進める7ステップと費用設計の考え方
目次
【この記事でわかること】
- 化粧品ブランド立ち上げの全体像(7ステップの流れ)
- OEMとODMの違い、企画提案型ODMメーカーを選ぶメリット
- 薬機法対応・化粧品製造販売業許可など法令面の基礎知識
- 費用設計の考え方と、発売準備を進める際のスケジュール感
- 初めて化粧品ブランドを立ち上げる方がつまずきやすいポイント
「自分のコスメブランドを作ってみたい」「オリジナルスキンケアを発売したい」と考え始めたとき、多くの方がまず感じるのは「何から始めればいいかわからない」という不安ではないでしょうか。
化粧品ブランドの立ち上げでは、処方開発、薬機法対応、容器を含めた包装資材の選定、表示設計、化粧品製造販売業許可に関する確認など、専門的な判断が必要になります。企画提案型ODMメーカーに相談すると、初めての方でもブランドの方向性を整理しながら、製品化までの流れを段階的に進めやすくなります。
この記事では、化粧品ブランドを立ち上げるまでの7つのステップを、ODMメーカーの活用ポイントも含めて整理しました。費用設計の考え方やOEMとODMの違いについてもまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
化粧品ブランドの立ち上げに必要な基礎知識
化粧品ブランドを立ち上げるには、製品区分や委託形態に関する基礎知識を整理しておくことが重要です。とくに「化粧品」と「医薬部外品」の違い、「OEM」と「ODM」の違いを理解しておくと、相談先の選定や製品の方向性を決めやすくなります。
「化粧品」と「医薬部外品」の違い
化粧品ブランドを立ち上げるにあたり、まず「化粧品」と「医薬部外品」の違いを把握しておくことが重要です。
化粧品とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、皮膚・毛髪を健やかに保つことを目的として使用されるものです。薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で定められた56項目の化粧品の効能の範囲内でのみ効果を訴求できます。
一方、医薬部外品は化粧品とは別の区分で、「にきびを防ぐ」「体臭・汗臭を防ぐ」「肌荒れ・荒れ性」「日やけによるシミ・そばかすを防ぐ」「皮膚の殺菌」といった承認された効能・効果を訴求できます。ただし、医薬部外品として製造・発売するには承認申請が必要で、化粧品よりも発売準備に時間を要するのが一般的です。必要期間は申請区分や申請内容次第です。
化粧品として発売するか、医薬部外品として発売するかによって、必要な許可・届出・承認申請や表示内容の確認範囲が変わります。企画初期の段階で、企画提案型ODMメーカーの薬事・表示担当者や薬事法務に詳しい行政書士などへ確認しておくと、後工程での手戻りを抑えやすくなります。
OEMとODMの違い
化粧品を外部委託で製造する方法として、「OEM」と「ODM」という2つの形態があります。
OEMは、委託者が設計した製品仕様をもとに製造を委託する形態です。これに対してODMは、ODMメーカーの提案力をもとに、ブランド設計や処方開発を進める形態です。企画提案型ODMメーカーであれば、処方提案、容器を含めた包装資材の選定、表示設計、薬機法対応、製造までを一貫して相談できるため、ブランド構想を製品仕様へ落とし込みやすくなります。
化粧品開発の経験が少ない方や、初めてブランドを立ち上げる方にとっては、専門知識を持つ企画提案型ODMメーカーをパートナーにすることで、企画の段階から伴走してもらえるメリットがあります。
化粧品ブランド立ち上げの7ステップ
化粧品ブランドを立ち上げるための全体的な流れを、7つのステップにまとめました。ODMメーカーと連携する場合の動き方も各ステップで説明します。
ステップ1:ブランドコンセプトとターゲットを決める
最初に行うのは、ブランドコンセプトとターゲットの明確化です。「誰に向けて」「どのような価値を届けるか」という方針が曖昧なままでは、処方開発や容器・包装資材の選定、表示内容の確認で方向性が定まりにくくなります。以下の項目を最初に整理して企画提案型ODMメーカーに共有すると、製品化に向けた提案を受けやすくなります。
- ・ターゲット(年代・性別・肌悩み・ライフスタイルなど)
- ・ブランドの世界観・訴求したい方向性
- ・発売予定カテゴリー(スキンケア・ヘアケアなど)
- ・発売形式(自社EC・実店舗・卸売など)
- ・予算感・製造ロット数の目安
企画提案型ODMメーカーは、決まった仕様を製造するだけでなく、ブランドの構想を製品に落とし込む伴走役になります。コンセプトやターゲットを共有することで、処方、容器を含めた包装資材、表示設計の方向性を一緒に整理し、製品化までの道筋を具体化できます。
ステップ2:ODMメーカーの選定と打ち合わせ
ブランドの方向性が定まったら、ODMメーカーを選定し、打ち合わせを始めます。選定時のポイントは以下のとおりです。
- ・希望カテゴリー(スキンケア・ヘアケア・医薬部外品など)に対応しているか
- ・ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))やISO 9001(国際的品質保証規格)を取得しているか
- ・最小製造ロット数が自社の予算・発売計画に合っているか
- ・処方提案・パッケージ提案・薬機法対応まで一貫して支援できるか
初回の打ち合わせでは、ブランドコンセプト、ターゲット、販売予定チャネル、発売時期、希望ロットなどを共有します。企画提案型ODMメーカーからは、処方だけでなく、容器を含めた包装資材、表示設計、製品仕様の調整まで含めた提案を受けられます。自社だけでは気付きにくい原料、剤型、使用感、容器・包装資材の選択肢を検討できるため、ブランドの世界観をより魅力的な製品として具体化しやすくなります。
ステップ3:処方開発と試作品の確認
打ち合わせで方針が固まったら、処方開発に進みます。ODMメーカーの研究開発チームがコンセプトや目指す使用感に合わせた処方を設計し、試作品を作成します。
試作品が届いたら、テクスチャー・香り・使用感を実際に確認し、修正要望を具体的に伝えましょう。試作品の修正は複数回行われることが一般的で、双方が合意した段階で次の工程に進みます。この段階では処方や使用感の確認を優先し、広告・パッケージの訴求表現や、販売名・全成分表示・内容量・効能表現の範囲などの表示設計は、処方が決定した後に薬機法や関連規約へ適合する形で整理します。
ステップ4:法令対応と許可取得の準備
処方が決定したら、発売前に必要な許可・届出・表示確認を整理しましょう。化粧品として発売する場合は、化粧品製造販売業許可を有する企業が、化粧品製造販売届を都道府県へ提出します。自社で製造工程を行う場合や、輸入品の包装・表示・保管を自社で行う場合は、工程に応じた化粧品製造業許可も必要になります。
化粧品発売に必要な許可の種類
| 許可の種類 | 概要 | 申請先 |
|---|---|---|
| 化粧品製造業許可 | 化粧品を製造するために必要な許可。一般区分(原料の調合から充填・包装まで全工程対応)と包装・表示・保管区分がある | 各都道府県庁 |
| 化粧品製造販売業許可 | 化粧品を自社製品として市場へ出荷・発売するために必要な許可 | 各都道府県庁 |
化粧品製造販売業許可を取得するには、GQP省令(品質管理基準)およびGVP省令(製造販売後安全管理基準)に従った社内体制の整備が必須となります。
また、販売前には、全成分表示や効能表現などの表示内容も整理します。化粧品の効能表現は薬機法で定められた56項目の範囲内に限られ、「乾燥による小ジワを目立たなくする」などは化粧品機能評価ガイドラインに基づく試験で効果が確認できた場合に限り認められます。全成分表示については、配合量の多い順に成分名を記載するのが原則で、配合量が1%以下の成分および着色剤は順不同で記載できます。香料を着香剤として使用する場合は、個別成分ではなく「香料」と一括表示することも認められています。
医薬部外品として販売する場合は、化粧品とは別に、医薬部外品としての承認申請が必要です。化粧品の届出に追加する手続きというより、承認を受けたうえで販売へ進む別区分の流れとして考える必要があります。発売時期を検討する際は、申請区分や申請内容に応じた審査期間を見込んで、早めにスケジュールを組むことが重要です。
ステップ5:容器・包装資材の選定と表示内容の確認
処方と法令対応の方針が決まったら、容器を含めた包装資材の選定と表示内容の確認に移ります。この工程では、ブランドの世界観を容器・箱・台紙などの包装資材で伝えながら、薬機法や関連規約で求められる表示内容を満たすことが大切です。
容器・包装資材に記載・印刷する表示内容として、製品仕様に応じて確認したい主な項目は以下のとおりです。
- ・販売名
- ・全成分表示
- ・内容量
- ・製造番号または製造記号
- ・使用及び保管上の注意
- ・種類別名称
- ・用法用量
- ・お問合せ先
- ・識別表示(容器包装の素材表示)
- ・製造販売業者の名称及び住所
- ・製品仕様に応じたその他の必要表示
表示項目は、製品の区分や容器・包装資材の仕様によって変わります。企画提案型ODMメーカーの薬事・表示担当者と早めにすり合わせ、販売名、全成分表示、効能表現、識別表示などを一つずつ確認しておくと、発売前の手戻りを防ぎやすくなります。
ステップ6:製造・充填・包装・出荷
ブランドコンセプト、処方、容器を含めた包装資材、表示内容、必要な許可・届出の確認が終わったら、製造工程に移ります。ODMメーカーがバルク(内容物)の製造から容器への充填、包装・出荷まで一連の工程を担います。
製造工程では、ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))に沿って、原料受入、製造記録、衛生管理、品質検査などを管理します。製造後は品質検査に合格した製品のみが出荷・納品されます。
初回の製造ロット数については、あらかじめODMメーカーと決定しておく必要があります。最小ロット数はODMメーカーのキャパシティや製品カテゴリーによって異なりますが、小ロットから対応可能なODMメーカーを選ぶことで、在庫リスクを抑えた立ち上げが可能になります。
ステップ7:発売準備と販売チャネルの整備
製品が納品されたら、発売に向けた販売準備を進めましょう。自社サイトやモール型EC、実店舗、SNSでの情報発信など、ターゲットに届きやすい販売チャネルの整備をしましょう。
販売後は、顧客の反応やフィードバックを収集し、次の製品開発に生かすことが重要です。最初の製品が軌道に乗ったら、シリーズ製品を追加してブランドの幅を広げていけます。ODMメーカーとの関係が継続していれば、シリーズ製品の追加開発でもブランドコンセプトを共有した状態で処方提案を受けられます。
ODM活用時に確認したい製造関連費用
化粧品ブランドの立ち上げにかかる費用は、製品カテゴリー・製造ロット数・パッケージの仕様などによって大きく異なります。
費用の全体像は、見積もりを取るまで正確には把握できません。ODMメーカーにブランドコンセプト・希望カテゴリー・想定ロット数を伝えたうえで見積もりを依頼し、具体的な金額の目安を把握しましょう。
なお、化粧品製造販売業許可の取得にあたっては品質管理体制の整備や法令対応の準備が必要なため、許可申請前に薬事法務に詳しい行政書士などへの相談を推奨します。
ODMメーカーとの打ち合わせ前に準備しておきたいこと
ODMメーカーとの初回の打ち合わせをスムーズに進めるために、事前に以下の情報を整理しておくと、より的確な提案を受けやすくなります。
事前に整理しておきたい5つの情報
1. ブランドコンセプト:どのような価値観やライフスタイルを体現するブランドにしたいか。参考にしたいイメージや避けたい方向性も合わせて共有できると、提案の精度が上がります。
2. ターゲット像:年代・性別・肌悩み・使用シーンなど、製品を届けたい相手の具体像。ターゲットが明確であるほど、処方や容器の提案を具体化しやすくなります。
3. 希望製品カテゴリー:美容液・化粧水・洗顔料・ヘアケアなど、最初に発売したいカテゴリー。シリーズ製品追加の方向性があれば合わせて伝えると設計に一貫性が生まれます。
4. 予算と製造ロット数の目安:初回の予算感と想定数量。ロット数は製品価格に直結するため、発売計画と合わせて整理しておくことが重要です。
5. 発売チャネルと時期:EC・実店舗・卸売など発売チャネルと希望時期。パッケージ設計や製造スケジュールの逆算に役立ちます。
化粧品ブランド立ち上げでつまずきやすいポイント
化粧品ブランドの立ち上げを進めるなかで、初めての方ほど見落としやすい注意点がいくつかあります。事前に把握しておくことで、開発の手戻りや発売スケジュールのズレを防げます。ここでは特に打ち合わせ時に話題にあがりやすい4つのポイントを整理します。
化粧品製造販売業許可を誰が取得しているかを確認していない
化粧品を販売するには、化粧品製造販売業許可を有する企業が、生産前に化粧品製造販売届を都道府県へ提出します。自社で許可を有するのか、許可を有する企業と連携するのか、決めていなければなりません。届け出をする際には、販売名、全成分などの必要な情報を準備する必要があります。
薬機法の理解不足による表現ミス
化粧品では、56項目の化粧品の効能の範囲を超えた効果効能の訴求は禁止されています。「シミが消える」「肌が若返る」といった表現は記載できません。訴求表現は企画段階から企画提案型ODMメーカーの薬事・表示担当者や薬事法務に詳しい行政書士などに確認しながら設計することが重要です。
製造ロット数と発売計画の不一致
製造ロット数が多すぎると在庫リスクが高まり、少なすぎると発売機会の損失につながります。初回は小ロットから始め、発売実績をもとに次回の製造量を調整できるODMメーカーを選ぶことを推奨します。
コンセプトが途中でぶれる
処方開発・パッケージ設計・表示設計と工程が進むにつれ、当初のブランドコンセプトとの乖離が生じるケースがあります。各工程でコンセプトに立ち返り、ODMメーカーとも方向性を十分に共有しておくことが重要です。
化粧品ブランドの立ち上げを
ピカソ美化学研究所に相談する
ピカソ美化学研究所は、企画提案型ODMメーカーとして国内外の化粧品開発を支援しています。ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))・ISO 9001(国際的品質保証規格)を取得しており、品質と安全性に関する高い基準を維持しております。
1935年の創業以来、スキンケアをはじめとする化粧品・医薬部外品の研究開発・製造を支援してまいりました。大阪(本社・中央研究所)・東京(オフィス/研究所)・横浜(工場)・神戸(工場)・上海(工場・研究所)・タイ・バンコク(工場)の国内外6拠点に広がる研究開発・製造ネットワークを活かし、ブランドの構想段階から製品化、発売後の追加開発までご相談を承っております。
「何から始めればいいかわからない」という方も、まずはお気軽に打ち合わせのご連絡をお待ちしております。ブランドのコンセプトや方向性をお聞かせいただければ、処方の提案から発売までをトータルでご支援いたします。
