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コラムのメインビジュアル

コラム COLUMN

No.008
2026.06.17

化粧品のバルクとは?バルクの製造工程や品質管理、充填工程との違いをわかりやすく解説

目次

  • 化粧品のバルクとは何か
    • 「バルク」と「最終製品」の違い
    • 「バルク製造」が重視される理由
  • バルク製造工程の流れ
    • (1)秤量(ひょうりょう)
    • (2)混合・溶解
    • (3)乳化
    • (4)冷却・ろ過
    • (5)充填前検査(バルク検査)
  • バルク製造における品質管理
    • ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))とは
    • 安定性試験と微生物試験
    • 製造記録と追跡可能性
  • バルクと充填の違い
    • 化粧品製造業許可の区分と工程の関係
  • バルク製造をODMメーカーに委託するメリット
    • 設備投資・化粧品製造業許可取得の負担を軽減できる
    • 処方開発から品質管理・薬機法対応まで一貫して任せられる
    • 企画提案力を生かした製品開発ができる
  • ODMメーカーを選ぶ際のチェックポイント
    • 品質認証と対応カテゴリー
    • 試作品対応と費用体系
  • 化粧品バルクの製造・ODMについてピカソ美化学研究所にご相談ください

【この記事でわかること】

  • 化粧品のバルク(内容物)の定義と、業界での位置づけ
  • 秤量から充填前検査までのバルク製造工程の全体像
  • ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))にもとづく品質管理と安定性試験・微生物試験の意義
  • バルク製造と充填工程の違い
  • ODMメーカーへの一括委託で得られるメリットと選定ポイント

化粧品の開発や製造委託を検討する方が初めて出会う専門用語のひとつが「バルク」です。一般的には「大量・まとめ」を意味する言葉ですが、化粧品業界では内容物を指す実務用語として使われています。

この記事では、化粧品のバルクの定義から、秤量・混合・乳化・冷却・ろ過・充填前検査といった製造工程の流れ、ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))にもとづく品質管理、そして充填との違いやODMメーカーへの一括委託で得られるメリットまでをまとめました。「バルクという言葉を初めて知った」という方から「製造委託を具体的に検討している」という方まで、幅広くご活用いただける内容です。

化粧品のバルクとは何か

化粧品業界における「バルク」とは、容器に充填される前の中身の状態を指します。化粧水・乳液・クリーム・パウダーなど、さまざまな化粧品の製造工程で、原料を計量・混合・加工し、容器に入れる直前の状態がバルクです。店頭に並ぶ化粧品は容器へ充填され、包装・箱詰めを経た最終製品ですが、その手前、内容物だけが完成した段階をバルクと呼びます。製造工程全体のなかで、バルク製造は品質の根幹をなす工程です。

「バルク」と「最終製品」の違い

化粧品の製造工程は、大きく「バルク製造」と「充填・包装工程」に分かれます。バルク製造では原料の計量、混合、乳化などを通じてバルクを仕上げ、充填・包装工程では完成したバルクを容器へ充填し、包装を経て最終製品となります。

つまり「バルク」は最終製品の素になる内容物であり、この品質が製品全体の品質を左右します。バルク段階で品質基準を満たしていなければ、容器やパッケージを工夫しても意味をなしません。バルク製造における厳格な品質管理が化粧品メーカーに求められる理由は、この点にあります。

「バルク製造」が重視される理由

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)にもとづき、化粧品の製造を行う事業者は化粧品製造業許可が必要です。製造業の許可要件には、責任技術者に関する人的要件や製造所の構造設備基準が含まれており、バルク製造はその対象となる中核的な工程です。

また、消費者の肌に直接触れる製品であることから、安全性や安定性の担保は特に重要です。発売後に変色、変臭、分離、微生物汚染などのトラブルが発生すればブランドの信頼を損なうため、バルク製造段階での徹底した品質管理が未然防止の要となります。

参考:神奈川県「化粧品の製造、輸入または製造販売等について」

バルク製造工程の流れ

バルクが完成するまでには、いくつかの工程を経ます。処方(成分設計)にもとづき、原料を正確に計り取ることから始まり、混合・乳化・冷却・ろ過・充填前検査と続きます。

(1)秤量(ひょうりょう)

製造の最初の工程が秤量です。処方に記載された各原料を、指定の量だけ正確に計量します。化粧品の品質は原料の配合バランスによって決まるため、秤量の正確さは製品品質に直結します。秤量ミスは乳化不良、変色、変臭、安定性不良などにつながるため、ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))に準拠した製造現場では、原料をQRコードで一元管理し、電子秤と連携した自動ラベル機が原料名・量・QRコードを印字することで、原料の取り違えと計量ミスの両方を防ぐ仕組みを整える例もあります。

(2)混合・溶解

秤量した原料を混合タンクに投入し、撹拌・溶解する工程です。乳液やクリームなどの乳化系処方では、水相(水に溶ける成分)と油相(油に溶ける成分)をそれぞれ加熱や溶解させてから混ぜ合わせる方法が一般的で、成分の特性に応じて温度、撹拌速度、投入順序を管理します。ビタミンC誘導体などの熱に弱い美容成分や香料は、高温下での品質劣化を防ぐため、冷却後に添加する(後添加)ケースもあります。

(3)乳化

乳液やクリーム、一部の日焼け止めなど、多くの化粧品は水と油が均一に混ざり合った「乳化物」です。水と油は本来混ざりにくい性質をもっていますが、乳化剤(界面活性剤)を用いることで安定した乳化状態を実現します。乳化には「水中油型(O/W型)」と「油中水型(W/O型)」があり、製品の使用感や安定性に合わせて選択します。乳化工程では、ホモミキサーなどの乳化機を使って均一な分散状態をつくります。

(4)冷却・ろ過

乳化が完了したバルクは、容器の変形や品質劣化を避けるために適切な温度まで冷却します。クリームや固形製品では、冷却条件によって硬さや光沢が変わる場合があるため、処方に応じた冷却プログラムを設定します。

冷却後は、処方や仕様に応じて異物や凝集物を除去するためのろ過を行います。フィルターのメッシュサイズは製品の粘度や仕様に応じて選定され、ろ過後は目視確認や物性確認と組み合わせて、充填前のバルクが規格を満たしているかを確認します。

(5)充填前検査(バルク検査)

バルクが完成したら、充填工程へ移る前に品質検査を実施します。この検査を「充填前検査」または「バルク検査」と呼びます。

検査項目 内容
外観・色調・臭気 目視・官能評価による外観確認
pH測定 処方の規格値内に収まっているかを確認
粘度測定 テクスチャーが処方通りかを確認
比重測定 充填量管理や処方確認の参考となる測定
微生物試験 必要に応じて好気性生菌数などを確認
乳化状態・外観確認 分離や沈殿の有無を確認

充填前検査で基準を逸脱したバルクは充填に進まず、原因究明と対応が取られます。この段階でのチェックが、最終製品の品質保証の要となります。

バルク製造における品質管理

化粧品の品質管理には、国際的な規格にもとづいた体系的なアプローチが求められます。バルク製造の現場では、ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))を中心とした品質管理体制が整備されています。

ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))とは

ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))は、化粧品の適正製造規範(Good Manufacturing Practice)を定めた国際規格です。製造環境の清潔さ、製造記録の管理、従業員の教育訓練、衛生管理、原料・内容物(バルク)・最終製品の品質管理、逸脱時の是正対応など、製造に関わるあらゆる側面をカバーしています。ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))に準拠した製造現場では、各工程を文書化し、異常時に原因を追跡できる体制を整えており、品質トラブルの再発防止と継続的な品質改善につながります。

安定性試験と微生物試験

安定性試験は、バルクや最終製品が一定の保存条件下(温度や湿度、光など)で性状や品質を保てるかを評価する試験です。化粧品では、長期安定性試験(常温保存条件での経時変化)、加速試験(高温・高湿条件での劣化評価)、サイクル試験(温度変化を繰り返した際の安定性確認)、光安定性試験(紫外線や可視光線による劣化確認)などが実施されます。試作品の評価段階から安定性データを蓄積することで、製品設計の妥当性確認につながります。

化粧品の製造工程では、原料・製造環境・製造設備などを介した微生物汚染のリスクが常に存在します。微生物試験では、日本薬局方や国際規格(ISO 21149、ISO 16212 など)を参照しながら、好気性生菌数や必要な菌種の確認を行うのが一般的です。水分を多く含む製品では、ISO 11930 にもとづく防腐力評価(チャレンジテスト)が検討されることもあります。

製造記録と追跡可能性

ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))では、製造に使用した原料のロット番号、製造日時、担当者、検査結果などを記録・保管することが求められます。これにより、品質トラブルが発生した際にバッチ(製造ロット)単位での原因究明と、必要に応じた回収・是正措置が迅速に実施できます。製造記録の適切な管理は、消費者の安全を守るとともに、規制当局への説明責任を果たすうえでも欠かせない取り組みです。

バルクと充填の違い

化粧品の製造工程において「バルク製造」と「充填」は、それぞれ異なる目的と役割をもつ工程です。両者の違いを正確に理解することが、製造委託の検討に役立ちます。

【バルク製造と充填・包装工程の違い】

項目 バルク製造 充填・包装工程
主な作業 秤量、混合、乳化、冷却、ろ過、バルク検査 充填、打栓、包装、出荷検査
目的 処方にもとづく内容物(バルク)の完成 完成した内容物(バルク)を最終製品に仕上げる
品質の要 処方通りの物性・安全性・安定性を実現 充填量の精度・外観
関連許可 化粧品製造業許可(一般区分) 化粧品製造業許可(一般区分または包装・表示・保管区分)

化粧品製造業許可の区分と工程の関係

薬機法にもとづく化粧品製造業許可には、「一般区分」と「包装・表示・保管区分」の2種類があります。バルク製造(原料の調合・混合・乳化など)には一般区分の許可が必須です。充填・包装のみであれば、包装・表示・保管区分での対応も可能です。バルク製造から充填・包装・出荷・納品まで一貫して委託する場合は、一般区分の許可を取得した製造拠点での対応が求められるため、ODMメーカーへの委託検討時はこの許可区分を確認することをお勧めいたします。

バルク製造をODMメーカーに委託するメリット

化粧品を自社ブランドで発売したいと考える事業者にとって、バルク製造から充填・包装・出荷・納品までを対応できるODMメーカーへの一括委託は、事業立ち上げや製品開発を効率化するうえで有力な選択肢となります。

設備投資・化粧品製造業許可取得の負担を軽減できる

化粧品製造業許可の取得には、責任技術者に関する要件の確認、製造設備の整備、品質管理体制の構築など、多くの時間とコストを要します。乳化機・混合タンク・充填機・クリーンルームなどの製造設備を自社で保有・維持するコストも相応にかかります。ODMメーカーへの委託であれば委託先の設備や許可体制を活用でき、初期投資を抑えてブランド立ち上げを進めやすくなります。

処方開発から品質管理・薬機法対応まで一貫して任せられる

処方開発(成分設計)には化粧品原料や皮膚科学の専門知識が必要で、安定性試験・微生物試験などの品質管理も専門的な設備と技術が求められます。ODMメーカーのなかには、処方開発から安定性試験・微生物試験・充填前検査・出荷検査まで一貫して対応できるところがあり、ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))にもとづく品質管理体制を整えた委託先を選ぶことで、自社では構築負担の大きい管理体制を活用しやすくなります。

化粧品の製造・発売には、薬機法をはじめ、厚生労働省の通知、公正競争規約、業界自主基準などへの対応も求められます。経験豊富なODMメーカーであれば、表示設計を含む規制対応のノウハウを蓄積しているため、企画段階からすり合わせて確認することで発売後のトラブルリスクを低減できます。

企画提案力を生かした製品開発ができる

ODMメーカーでは、処方開発だけでなく市場トレンドの把握や処方・パッケージ提案まで幅広くサポートします。「どんな製品を作るべきか」という段階から相談できるため、製品の差別化やブランドコンセプトの具体化に役立てることができます。シリーズ製品を展開したい場合や、ODMメーカーが保有する独自の処方技術を活用したい場合には、企画提案力の高い委託先とのパートナーシップが製品の付加価値向上につながります。

ODMメーカーを選ぶ際のチェックポイント

バルク製造から一貫してサポートできるODMメーカーを選定する際は、以下の観点から確認することをお勧めいたします。

品質認証と対応カテゴリー

ISO 9001(国際的品質保証規格)やISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))を取得しているかは、製造品質の水準を測る重要な指標です。輸出や特定の販路を想定する場合は、ハラール認証や各国の規制への対応可否も確認ポイントとなります。

あわせて、スキンケア・ヘアケア・UVケア・メンズコスメなど、自社が展開したいカテゴリーの製造実績が豊富かを確認します。医薬部外品(育毛剤・薬用化粧品など)の承認申請サポートを行っているかどうかも、将来的な製品展開を見据えると重要な検討事項です。

試作品対応と費用体系

処方の検討段階では、試作品作成に必要な期間や修正対応の柔軟性を事前に確認しておくことで、製品開発スケジュールを正確に把握できます。販売スケジュールを組む際には、バルク製造の準備・試作品確認・安定性試験・充填前検査・充填・包装・出荷・納品まで、一連の工程に必要な期間を踏まえた計画が求められます。

また、ODMメーカーによって最小発注量(MOQ)の設定は異なります。小ロットからの製造対応が可能かどうか、見積もりの取り方や費用の内訳(処方開発費・試作品費・製造費・充填費など)を明確に確認しておくことが、後のトラブル防止につながります。

化粧品バルクの製造・ODMについてピカソ美化学研究所にご相談ください

ピカソ美化学研究所は、化粧品製造業・化粧品製造販売業・医薬部外品製造業・医薬部外品製造販売業の許可を有し、機能性・自然派コスメティックスの研究開発・企画・デザイン・製造を手がけています。

ピカソ美化学研究所グループは1935年創業で、ISO 9001(国際的品質保証規格)、ISO 22716(化粧品GMPに関する国際規格(ガイドライン))、ハラール認証ステータス(A)などを取得し、スキンケア・メイクアップ・ヘアケア・UV製剤・医薬部外品など幅広い品目に対応しております。

スキンケアや一般的な乳液・クリームに加え、クレンジングバームの溶融充填や、マウスウォッシュ・シートマスク・洗顔パウダーといった特殊な剤型のバルク製造にも対応しています。製造可能品目の詳細はピカソ美化学研究所、製造品目ページをご参照ください。

化粧品バルクの製造やODM委託をご検討の際は、まずはお気軽に打ち合わせのご連絡をお寄せください。

ピカソ美化学研究所へのお問い合わせやお見積り依頼はこちら

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