コラム COLUMN
オールインワンジェルOEM/ODMで商品開発|剤型の特徴とターゲット別の処方設計
目次
【この記事でわかること】
- オールインワンジェルに集約される複数のスキンケア機能
- オイルインとノンオイルによる使用感の違い
- ターゲットのニーズにあわせた処方設計と、化粧品・医薬部外品の区分
- OEMとODMの違い、企画提案型ODMによる商品化の流れ
オールインワンジェルは、化粧水、美容液、乳液、クリーム、パックなど、複数のスキンケア機能を1品にまとめた化粧品です。みずみずしいジェルから濃厚なジェルクリームまで、肌悩みや求める使用感に応じた商品を企画できます。商品開発では、ターゲットが求めるケアとテクスチャーを具体化し、処方、容器を含めた包装資材、表示を検討します。
ピカソ美化学研究所(以下、当社)は企画提案型ODMメーカーとして、商品コンセプトの企画から処方開発・試作、容器を含めた包装資材の提案、試験・薬事対応、製造、出荷・納品まで一貫して支援いたします。本記事では、オールインワンジェルの特徴と、ターゲットのニーズにあわせた商品開発について解説します。
オールインワンジェルとは
オールインワンジェルは、洗顔後の複数のスキンケア機能を1品に集約した化粧品です。「ジェル」と「ゲル」は同じ剤型を指し、水分を含みながら一定の粘度を持つことが特徴です。化粧水のようなみずみずしさを重視するか、乳液やクリームのような濃密な被膜感を重視するかによって、伸び、ベタつき、使用後の肌あたりは大きく変わります。
複数のスキンケア機能を1品に集約
オールインワンジェルの開発では、どの役割(化粧水・美容液・乳液・クリームなど)を主軸に据えるかを定義することが重要です。
全ての機能を均等に狙うのではなく、ターゲットの肌悩みに合わせて『どこまでを一品で完結させるか』を先に決めることで、試作評価の軸が明確になります。また、洗顔後のステップを集約するほど、一回の塗布でみずみずしい水分感とうるおいを閉じ込める保護膜の双方を両立させなければなりません。そのため、単一の化粧水やクリームの処方よりも、なめらかな伸びや広がりと塗布後のベタつかない残膜感の絶妙なバランスが問われる、難易度の高い剤型と言えます。
ジェル剤型の特徴とオイルイン/ノンオイルによる使用感の違い
ジェル剤型は、水分を含むゲル構造により、みずみずしさと適度な粘度を両立している点が特徴です。オールインワンジェルでは、油分の配合によって、さっぱりした肌あたりからリッチな使用感まで調整します。
オイルインやジェルクリームと呼ばれるタイプは、油性成分を配合し、コクのある使用感や塗布後の保湿感を持たせます。ドライ肌や、クリームのような満足感を求める層に向いています。一方、ノンオイルタイプは、オイリー肌やインナードライ肌など、ベタつきを抑えながら水分を補いたい層に向けた企画の候補になります。
オイルインとノンオイルの試作品を比較する際は、油分の有無に加え、取り出したときの弾力、塗り広げやすさ、なじんだ後の残膜感を確認します。例えば、みずみずしく伸びても塗布後に物足りなさが残る場合は、保湿感とのバランスを再検討します。使用中と使用後の感触を分けて評価し、求めるテクスチャーに近づけます。
オールインワンジェルのメリットとデメリット
オールインワンジェルのメリットは、洗顔後のスキンケアを1品で完了できる手軽さです。一方、水分と油分を別々のアイテムで補う使い方に比べ、肌状態に応じた調整がしにくい面もあります。商品の企画では、使う人の生活習慣と肌悩みの両方を踏まえて処方を検討します。
スキンケアの時短と摩擦の軽減
洗顔後のステップを減らせるため、時短・タイパ重視の忙しい層やスキンケア初心者、旅行やジム・サウナ帰りのケアを手軽に済ませたい層に向いています。また、肌へ触れる回数を減らすことで、重ね付けに伴う摩擦を抑えられます。メンズコスメでは、ひげそり後も1品でスキンケアが完了する手軽さを提案できます。
販売面では、使い方の説明を短くできることも利点です。通信販売、店頭販売、サロン販売のいずれでも、「洗顔後に適量を顔全体へ伸ばす」という使い方を軸に案内できます。ただし、重ね付けを想定する商品では、その後に使う化粧下地や日焼け止めとのなじみも、試作品の評価項目に入れる必要があります。
水分・油分のバランスを調整しにくい理由
通常のスキンケアの場合、化粧水とクリームを別々に使うことで、肌状態に合わせて使用量を微調整できます。オールインワンジェルは1品で水分と油分の両方を満たそうとするため、季節や体調に肌状態が左右される人には、保湿感が物足りないことがあります。
乾燥する時期には保湿感が足りず、皮脂が気になる時期にはベタつくなど、同じ製品でも肌状態によって使用感は変わります。オールインワンジェル剤型の企画では、こうした変化も考慮します。乾燥が強いドライ肌に向けてオイルインに特化する、季節でシリーズ製品を分ける、重ね付けを案内するなど、処方と使い方の両方に対策があります。
1品にすべてを凝縮するからこそ、なめらかな伸び、ベタつきのなさ、肌を守る残膜感、すべてのバランスに繊細な折り合いが求められます。ジェルの可能性を最大限に引き出す鍵は、誰の、どんな悩みを、どんな肌心地で締めくくるかという明確な目的を、処方の出発点として見据えておくことなのです。
ターゲットのニーズにあわせた処方設計
オールインワンジェルは、肌悩み、性別、年代、肌あたり、化粧品・医薬部外品の区分などによって、多岐にわかれます。保湿感を重視したタイプ、さっぱり使えるタイプ、ナイトパックとして使うタイプなど、企画の選択肢は豊富です。自社のブランドがどのカテゴリーを目指し、どのニーズに応えるかを明確にすると、処方をクリアに絞り込めます。
みずみずしいジェルからクリームのような濃厚な感触まで
インナードライ肌やオイリー肌など、ベタつきが気になる層には、伸びが良く、みずみずしいジェルが候補になります。さっぱりした肌あたりと、塗布後に求める保湿感を確認しながら、ノンオイルタイプを含めて処方を検討します。
一方、ドライ肌や年齢による肌の変化が気になる層には、油分を配合した濃厚なジェルクリームが候補になります。例えば中高年女性向けでは、リッチな満足感のある油系・クリーム系の使用感を軸に企画します。ターゲットのニーズに応じて、シワ改善の効能を付帯した医薬部外品を検討する方法もあります。その場合は、当該効能・効果について製品の承認が必要です。
みずみずしいジェル、ジェルクリーム、クリームのように濃厚なタイプでは、それぞれ適した容器形状や仕様が異なります。目指すテクスチャーを確定したうえで、ジャーからのすくいやすさやポンプからの出しやすさなどを確認します。使用感と取り出しやすさが両立するよう、処方に合う容器を選定します。
年代・性別・肌悩みに合わせた企画軸
乾燥、皮脂、毛穴、肌荒れ、年齢による変化など、どの悩みをターゲットにするかで処方の方向性が変わります。敏感肌向けであれば、少ないステップでケアできることや、摩擦を抑えて塗り広げられることも検討項目です。香料の有無も、ターゲットと販売チャネルに合わせて決めます。
メンズコスメでは、皮脂が多く水分が少ない肌傾向を踏まえ、さっぱりとしながらも保湿できる処方が候補になります。ひげそり後、ジムや外出先など、使用場面を具体化すると、内容量と容器も決めやすくなります。時短・タイパを求める層には、1品で必要なケアを済ませられる使いやすさが大切です。テクスチャーは、性別や肌悩み、好みに応じて検討します。
朝に使う商品では、軽い使用感に加え、次に使う化粧下地や日焼け止めとのなじみも重要な評価項目です。夜に使う商品では、塗布後の密着感と、時間が経った後の肌の乾燥状態を確認します。紫外線防止機能を備えた朝の時短ケア、夜のナイトパック、季節限定の高保湿タイプなど、使用目的に応じた商品を企画できます。
化粧品と医薬部外品の区分
化粧品として販売する場合、効能表現は定められた56項目の化粧品の効能の範囲に収めます。範囲を超える効果効能や医薬品的な表現は記載できません。表示と広告で使う言葉は、試作時の感想とは分け、薬事・表示担当者と企画段階からすり合わせます。
参考:厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb7518&dataType=1&pageNo=1
参考:日本化粧品工業会「化粧品で表示できるようになった“シワに対する効能表現”」
https://www.jcia.org/user/approach/news_release/news2
例えば、保湿を中心としたオールインワンジェルを化粧品として企画する場合は、「肌にうるおいを与える」「肌荒れを防ぐ」など、製品に適した範囲の効能表現を検討します。シワ改善を目的とする医薬部外品では、その効能・効果について承認を受けた製品として開発を進めます。求める効能表現と製品仕様をもとに、区分を判断します。
化粧品で「乾燥による小ジワを目立たなくする」と表示・広告する場合は、所定のガイドラインに基づく試験、または同等以上の適切な試験による効果の確認が必須です。試験を行った旨の製品への表記も求められます。企画段階から薬事・表示担当者と、区分、使用する効能表現、必要な評価資料を確認します。
ターゲットのニーズとオールインワンジェルの処方例
| ターゲット | 主なニーズ | 処方・使用感の例 |
|---|---|---|
| 時短・タイパを重視する層 | 洗顔後のケアを1品で完了したい | 複数のスキンケア機能を集約し、短い時間で塗り広げやすいジェル |
| 乾燥が気になる中高年女性 | うるおいとリッチな満足感がほしい | オイルインやクリームのように濃厚なジェル |
| オイリー肌・インナードライ肌の層 | ベタつきを抑えながら水分を補いたい | ノンオイルを含む、みずみずしく軽いジェル |
| ひげそり後のケアをする男性 | 手軽に保湿して肌を整えたい | さっぱりした肌あたりと保湿感を両立するジェル |
| 敏感肌・肌荒れが気になる層 | 塗布時の摩擦を抑えてケアしたい | なめらかに伸びるジェル。香料の有無も検討 |
| 夜に保湿ケアをしたい層 | 就寝前に密着感のあるケアを取り入れたい | ナイトパックとして使える高保湿タイプ |
処方と使用感の確認項目
目指すオールインワンジェルのテクスチャーが決まったら、試作品の使用感を確認します。1品でスキンケアを完了できるよう、塗布中のみずみずしさと、なじんだ後の保湿感・肌の状態を続けて評価します。使用量や評価する時間帯をそろえることで、処方の違いによる変化を確認しやすくなります。
塗布時には、ジェルが少ない摩擦で均一に広がるかを確認します。なじんだ後は、肌を保護する残膜感とベタつきのバランス、時間が経った後の乾燥状態を評価します。朝用は化粧下地や日焼け止めとの重ねやすさ、ナイトパックは塗布後の密着感など、用途に合わせた項目も確認します。
試作品を確認する際は、求める使用感と、実際に感じた違いをお伝えください。「塗り広げやすいが、なじんだ後にベタつきが残る」など、使用のどの段階で気になったかを共有いただくことで、次の試作で調整する点を具体化できます。
容器・包装資材と表示の決め方
オールインワンジェルの容器は、粘度や使用シーンに合わせて選びます。ジャーのほか、片手で使いやすいポンプや、持ち運びやすいチューブなども候補です。取り出しやすさや液漏れ、内容物の付着など、実際の使いやすさも確認します。
表示については、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)などに沿って、販売名、全成分、内容量、使用及び保管上の注意、問い合わせ先など、必要な項目を記載します。広告やランディングページ、SNS、同梱物は容器・包装の表示とは確認事項が異なるため、公開前に薬事・表示担当者と確認します。
OEMとODMの違い
OEMは、委託者があらかじめ設計した処方や成分をもとに製造を委託する方法です。独自性は委託者側の設計から生まれます。
ODMは、ODMメーカーが提案する処方をベースに、ブランドの設計や用途設定によって差別化する方法です。自社に処方開発の知見や使用感評価の経験がない場合に頼れるのは、ODMメーカーの処方開発体制です。
企画提案型ODMでは、ブランド構想に合わせて、処方、容器を含めた包装資材、表示設計、製品仕様をご提案します。これらを発売の予定とともに自社内で確定し、製造を委託したい場合はOEMメーカーが候補です。ターゲットや価格帯をもとに、処方設計や包装資材の提案を受けたい場合は、ODMメーカーが適しています。
企画提案型ODMでの商品化の流れ
初回の打ち合わせでは、製品カテゴリー、ターゲット、価格帯、訴求ポイント、希望数量・初回ロット、発売時期を共有します。あわせて、化粧品・医薬部外品の区分と、求めるテクスチャーを確認します。ターゲットのニーズを捉えたテクスチャーを具体化し、処方と製品仕様を検討します。
当社の企画提案型ODMでは、企画条件に合わせて処方案をご提案します。試作と評価を重ねて処方を決定し、容器を含めた包装資材の選定、表示事項の確認、各種試験を経て、製造、出荷・納品へ進みます。詳しくは化粧品ODMの開発フローをご覧ください。
オールインワンジェルのODMならピカソ美化学研究所へ
オールインワンジェルは、今や時短のケアや濃厚な保湿ケアなど、幅広いニーズに応えられる剤型です。当社は、ターゲットの肌悩みや求めるテクスチャーに合わせて、処方と容器を含めた包装資材をご提案いたします。企画が具体化していない段階でも、実現したい商品像をお聞かせください。構想から商品化まで、一貫して支援いたします。
