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化粧品の販売許可は必要?「化粧品製造販売業許可」と「化粧品製造業許可」の違いと『許可なし』で始める方法
【この記事でわかること】
- 化粧品を販売するために必要な「化粧品製造業許可」「化粧品製造販売業許可」の違い
- 許可を取得するための具体的な要件(責任者の設置や品質・安全管理体制など)
- 自社で許可を取らずにオリジナル化粧品を販売する「OEM/ODM」の仕組み
- OEM/ODMメーカーに依頼する際のメリットとデメリット
化粧品ビジネスは、利益率が高く、ブランドの世界観を表現しやすい魅力的な事業です。しかし、いざ「オリジナルの化粧水や美容液を販売したい」と考えたとき、最初にぶつかる壁が法律の規制です。
食品を売るのに保健所の許可が必要なように、人の肌に触れる化粧品も、製造や市場への出荷(自社製品として流通させること)にはルールがあります。「なんとなく難しそうだ」と感じるかもしれませんが、正しい知識を持てば、必ずしも自社ですべての許可を取得する必要はありません。ここでは、化粧品販売に必要な許可の基礎知識と、許可を持たない個人や企業がスムーズに参入するための方法をわかりやすく解説します。
化粧品の販売に許可は必要か?
結論から言うと、「何をするか」で必要な許可が変わります。
国内の化粧品製造販売業者から製品を仕入れて、表示・包装を一切変更せずにそのまま販売するだけであれば、許可が不要とされるケースがあります。
一方で、国内で製造した化粧品を自社製品として市場へ出荷・販売・授与する場合や、海外から輸入した化粧品を自社製品として市場へ出荷・販売・授与する場合には、原則として薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)上の許可が必要になります。また、許可を取得した後も、化粧品を製造販売しようとする場合は、品目ごとに「化粧品製造販売届書」を事前に提出する必要があります。
参考:神奈川県ホームページ「化粧品の製造、輸入または製造販売等について(2025年7月2日)」
必要な許可は「化粧品製造業許可」と「化粧品製造販売業許可」の2種類
化粧品ビジネスには、大きく分けて2つの許可が登場します。名前が似ていますが、役割は明確に異なります。
化粧品製造販売業許可(市場への責任)
「化粧品製造販売業許可」は、製品を市場に送り出すための許可です。
この許可を持つ事業者が、製品の品質や安全性に対して最終的な責任を負い、品質や安全性に関する情報の収集・分析・評価、必要な措置を行う立場になります。重要なのは、この許可だけでは「化粧品を作る(原料を混ぜたり容器へ詰めたりする)」ことはできないという点です。あくまで“市場へ出す側の責任”を担う許可であり、実際に手を動かして作る許可ではありません。
化粧品製造業許可
「化粧品製造業許可」は、その名の通り化粧品を製造するための許可です。工場で原料を混ぜ合わせたり、容器に詰めたり、ラベルを貼ったりする行為がこれに当たります。
化粧品製造業許可はさらに区分があり、たとえば次のように整理されます。
- 一般区分:化粧品の製造工程の全部又は一部を行う区分(※包装・表示・保管“のみ”を行う場合を除く)。なお「一般」には、製造に加えて「包装・表示・保管」の工程も含みます。
- 包装・表示・保管区分:化粧品の製造工程のうち、包装・表示・保管のみを行う区分。
- 「表示」には、法定表示を製品に貼付する等の行為(輸入品の邦文表示の貼り替えを含む)
- 「保管」には、出荷判定待ちの製品の保管だけでなく、出荷判定後の保管・出庫業務等も含みます。
たとえば「中身(バルク)はOEM工場で製造してもらい、自社でラベル貼付や箱詰め(包装・表示)をして出荷したい」という場合は、化粧品製造販売業許可に加え、包装・表示・保管に該当する工程を誰が担うか(自社で許可を取るか、許可を持つ事業者へ委託するか)が論点になります。※輸入品を扱う場合は、製造販売届書のほか追加の届出が必要になることがあるため、自治体の案内で要件を確認してください。
許可を取得するための高いハードル
「それなら自社で許可を取ればいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、実際に許可を取得するのは、異業種からの参入や小規模事業者にとってはハードルが高いのが現実です。
薬剤師などの専門家(責任者)の設置が必要
化粧品製造販売業許可を取得するためには、責任ある立場の人材を常勤で設置する必要があります。
総括製造販売責任者は、薬剤師のほか、薬学または化学に関する専門課程を修了した者等、施行規則で定める要件に該当する人を置く必要があります。そのうえで、品質管理と製造販売後安全管理を適切に行える体制を整備することが求められます。参考:神奈川県「化粧品製造販売業の許可取得を検討されている方へ 平成30年10月改訂」
厳格な品質管理・安全管理(GQP省令・GVP省令)
人を雇うだけでなく、社内の体制も厳しく審査されます。
製造販売業の許可要件として、品質管理の基準(GQP省令)に適合する必要があります。手順書(マニュアル)の整備・運用に加え、たとえば「市場への出荷に係る記録の作成」「適正な製造管理・品質管理の確保」「品質情報・品質不良等の処理」「回収処理」「文書・記録の管理」などの手順を定め、継続的に運用することが求められます。
さらに、製造販売後安全管理の基準(GVP省令)に適合することも必要です。
GVP省令では、安全管理情報(品質・有効性・安全性などに関する情報)の収集・検討、その結果に基づく安全確保措置の立案・実施、そして安全確保業務に係る記録の保存などが求められます。参考:厚生労働省「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(2004年9月22日)」
製造所の構造設備基準(“自宅の一室で手作り”では難しいことが多い)
また、製造業許可に関しては、製造所の構造設備基準も論点になります。
基準では、換気や清潔さに加えて、常時居住する場所や不潔な場所から明確に区別されていることなどが求められます。そのため「自宅の一室で手作り」といった形では、許可取得が難しいケースが多いのが実情です。参考:厚生労働省「薬局等構造設備規則(1961年2月1日)」
「許可なし」で化粧品ビジネスを始める方法(OEM/ODM活用)
自社で許可を取るのが難しい場合、諦める必要はありません。化粧品業界では「OEM/ODM(受託製造)」を活用するのが一般的です。
OEM/ODMメーカーに「製造販売元」になってもらう
OEM/ODMとは、化粧品の製造を専門のメーカーに委託することです。
この際、製造(製造業)だけでなく、市場への出荷に関する責任を担う「製造販売業者(製造販売元)」の役割まで、許可を持つOEM/ODM側が担う形にすることで、あなたが自社で許可を持たなくても、オリジナル化粧品の販売に取り組みやすくなります。また、化粧品は表示ルールがあり、容器や外箱には、製造販売業者名・住所、販売名、製造番号(製造記号)、全成分表示など、薬機法で定められた表示事項を適切に記載する必要があります。さらに、内容量表示や(該当する製品では)使用上・保管上の注意などは、「化粧品の表示に関する公正競争規約」等でも求められます。表示設計は企画段階から、OEM/ODMメーカーや専門家とすり合わせて確認しておくと安心です。
OEM/ODMメーカーに依頼するメリット・デメリット
OEM/ODMを活用することで、許可の問題以外にも多くのメリットがあります。
メリット:低リスクでスピーディーな参入
最大のメリットは、工場や設備への投資、専門人材の確保、GQP省令・GVP省令に沿った体制整備などをゼロから抱え込まずに済むことです。
また、OEM/ODMメーカーは処方設計や製造、品質管理のノウハウを持っているため、「こんな成分を入れたい」「ターゲットは30代女性」といった要望を伝えながら、プロの視点で商品化を進めやすいのも利点です。デメリット:コスト構造と自由度
一方で、製造をOEM/ODMメーカーへ委託する場合、原価にはメーカー側の人件費や設備費、管理費なども含まれるため、表面的には自社工場での製造より原価率が高く見えることがあります。ただし、自社で工場を構える場合も、人件費や労災関連費用などの固定費が継続的に発生するため、コストメリットを安定して出すには目安として80%以上の高い稼働率を維持することが重要です。稼働率がそれを下回ると固定費負担が製品1個当たりに重くのしかかり、結果として1個当たりの原価がOEM/ODMの委託費用を上回るケースもあります。
また、OEM/ODMメーカーが保有する設備や原料の範囲、最低ロットや製造条件などの制約により、処方・容器仕様・納期などの自由度が制限される場合があります。
とはいえ、初期投資や稼働率維持といったリスクを抑えられる点を踏まえると、まずはOEM/ODMでスタートし、販売数が伸びて生産量の見通しが立った段階で自社工場を検討する、という進め方が現実的と言えるでしょう。
許可取得や品質・安全管理の実務はプロに任せ、企画と販売に集中する
化粧品ビジネスで最も重要なのは「どう作るか」よりも「どう売るか」です。
許可の取得や薬機法対応の勉強に膨大な時間を費やすよりも、そのリソースをコンセプト作りや販促活動に注ぐべきです。化粧品の販売許可は複雑で、自社取得は容易ではありません。しかし、信頼できるOEM/ODMパートナーと組むことで、その壁は驚くほどシンプルに整理できます。
あなたの頭の中にある「こんな化粧品があったらいいな」というアイデアを、私たちと一緒に形にしてみませんか。
まずは「こんなことできる?」という軽い相談からで構いません。お問い合わせをお待ちしています。
