コラム COLUMN
化粧品OEMの流れとは?問い合わせから納品まで8ステップで解説
目次
【この記事でわかること】
- 化粧品OEMとODMの違い
- 問い合わせから納品までの8つのステップと各フェーズの注意点
- 全体のスケジュール目安
- 化粧品製造業許可、化粧品製造販売業許可、化粧品製造販売届書の基礎
- メーカー選びで確認すべきポイント
オリジナルの化粧品を販売したいと思い立ったとき、多くの方がまず戸惑うのが「具体的にどう進めればいいのか」という点ではないでしょうか。化粧品OEMは製造を専門メーカーに委託できる便利な仕組みですが、問い合わせから商品が手元に届くまでにはいくつものステップがあり、各フェーズで確認すべきことも少なくありません。
この記事では、化粧品OEMの依頼から納品までの流れを8つのステップに整理し、それぞれの注意点やスケジュールの目安をわかりやすく解説します。
化粧品OEMを依頼する前に知っておくべきこと
OEM(Original Equipment Manufacturer)とは、自社ブランドの化粧品を製造専門のメーカーに委託して作る仕組みです。OEMと混同されやすいODM(Original Design Manufacturer)は、処方設計・容器選定・デザインまでをメーカー側が担い、製造も一貫して請け負う点が異なります。「企画から一緒に考えてほしい」という場合はODMが向いています。
また、化粧品の製造・販売には「化粧品製造業許可」「化粧品製造販売業許可」などの許可が必要ですが、OEMメーカーはすでにこれらを取得済みのため、発注側が自ら取得する必要はありません。設備投資や許可取得の負担なく参入できることが、OEMを活用する大きな理由の一つです。ただし、OEMは「製造を頼むだけ」ではなく、問い合わせから納品まで複数のステップと一定の期間を要します。
以下で、その全体像を解説します。
化粧品OEMの依頼から納品までの8ステップ
化粧品OEMのプロセスは、各OEMメーカーや製品の仕様によって細部は異なりますが、大まかには以下の8つのステップで進みます。
ステップ①:商品企画・コンセプトの整理
OEMメーカーへ問い合わせる前に、まず発注側で商品のコンセプトを整理しておくことが重要です。どのような化粧品を作りたいのか、ターゲット層はどんな方なのか、販売チャネル(ECサイト・実店舗・サロン向けなど)はどこなのかを明確にしておくと、OEMメーカーとの打ち合わせがスムーズに進みます。
加えて、希望するロット数や販売時期の目安、大まかな予算感も事前に検討しておきましょう。これらが曖昧なままでは、OEMメーカー側も適切な提案が難しく、打ち合わせに余計な時間がかかってしまいます。参考にしたい既存商品(競合品)があれば、それも準備しておくと話が進みやすくなります。
ステップ②:OEMメーカーへの問い合わせ・打ち合わせ
コンセプトが整ったら、候補となるOEMメーカーに問い合わせ・打ち合わせを行います。初回の打ち合わせでは、品目(化粧水・美容液・クリームなど)、商品コンセプト、希望ロット数、販売ルート、販売時期のめどなどを共有します。
メーカーによってはODM対応として、企画や処方設計の段階から提案を行う体制を持つところもあります。何も決まっていない段階でも気軽に相談に乗ってくれるメーカーも多いため、まずは問い合わせてみることが第一歩です。打ち合わせを複数メーカーと並行して進め、比較・検討することも選択肢の一つです。
ステップ③:処方開発・試作確認
打ち合わせの内容をもとに、メーカーが処方を設計し試作品を製作します。試作品を受け取ったら、以下の点を中心に確認しましょう。
- 使用感やテクスチャーはイメージ通りか
- 香りや色味はコンセプトに合っているか
- 容器に充填したときの使いやすさに問題はないか
- 成分や配合成分は製品コンセプトに合致しているか
処方への要望や修正点があればメーカーにフィードバックし、納得のいく仕上がりになるまで試作を重ねます。なお、試作費が発生するかどうかはメーカーによって異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。また、化粧品に配合できる成分の種類や使用量は法令・ガイドラインで定められており、処方設計はこれらの基準に沿って進める必要があります。
ステップ④:容器・包装資材・パッケージデザインの検討
内容物(バルク)の処方と並行して、または処方決定後に、容器や包装資材の選定、パッケージデザインの検討を進めます。容器の選定は単に見た目の問題だけでなく、内容物(バルク)の成分と容器素材との相性(変形や漏れのリスク)も重要な確認ポイントです。
パッケージデザインは購買動機に直結する要素であり、ブランドコンセプトやターゲット層に合ったデザインにすることが求められます。メーカーによっては容器の開発・提案からデザイン制作まで一貫して対応しているところもあります。デザイン・表示内容については、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)をはじめとする各種法令や「化粧品の表示に関する公正競争規約」に沿った内容であることの確認も必須です。容器や外箱には、製造販売業者の名称・住所、販売名、種類別名称、製造番号(製造記号)、全成分表示など、薬機法で定められた表示事項を適切に記載しなければなりません。
参考:厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
ステップ⑤:仕様決定・見積もり・契約締結
試作評価と資材・デザインの方向性が固まったら、最終的な製品仕様を確定します。仕様決定後、メーカーから正式な見積もりが提示されます。確認すべき主な内容は以下の通りです。
- 製造費・容器費・包装費などのコスト内訳
- 発注ロット数と納期
- 初回納品及びリピート発注時のリードタイム
- アフターフォローやサポート体制
見積もり内容に問題がなければ契約締結・正式発注となり、製造に向けた本格的な準備が始まります。この段階でロット数や単価に認識のズレがあると、後の製造プロセスに支障が出るため、不明点はこの時点でしっかりと確認・解消しておきましょう。
ステップ⑥:試験・薬事申請(化粧品製造販売届書)
製品化が決定したら、安全性・安定性試験を実施します。また、化粧品を市場へ出荷・販売・授与するためには、薬機法に基づく手続きが必要です。
化粧品の場合、品目ごとに「化粧品製造販売届書」を事前に都道府県に提出する届出制となっており、おおむね1か月程度で手続きが完了します。一方、医薬部外品の場合は厚生労働大臣または都道府県知事への承認申請が必要で、申請内容や品目区分によって異なりますが、半年以上の期間を要することが一般的です。
OEMメーカーが薬事申請の代行や支援を行っているケースも多いため、対応範囲についてはメーカーに確認しましょう。容器・包装資材の表示内容の法令チェックもこのフェーズで行います。
ステップ⑦:製造・充填・包装・出荷・納品
試験と申請の手続きが整ったら、いよいよ製造工程に進みます。工場で内容物(バルク)を製造し、品質確認後に容器への充填を行います。充填後は包装・表示の工程を経て、出荷判定を行います。出荷前に完成品からサンプルを抜き取り、製品の品質検査を行い、問題がなければ出荷・納品。
生産・充填・包装の工程は「化粧品製造業許可」の一般区分(原料の調合から充填・包装まで、化粧品の製造工程の全工程を行える区分)を取得した工場で行われます。OEMメーカーはこの許可をあらかじめ取得しているため、発注側が自ら取得する必要はありません。
ステップ⑧:フォローアップ・リピート注文への対応
納品後も、OEMメーカーとの関係は続きます。リピート注文への対応のほか、販売状況を踏まえたリニューアルやシリーズ製品の提案、製品に何らかの不備やトラブルが生じた場合の対応など、納品後のサポート体制が整っているかどうかも重要なポイントです。
長く安定したブランド運営を目指すうえで、アフターフォローに力を入れているOEMメーカーを選ぶことが、結果として商品の品質維持とビジネスの継続性につながります。
化粧品OEMで知っておきたい基礎知識
8つのステップを把握したうえで、さらに押さえておきたいのがスケジュール感と許可・届出の基礎です。「思ったより時間がかかった」「許可の仕組みが複雑でよくわからなかった」という声は少なくありません。事前に理解しておくことで、OEMメーカーとの打ち合わせもよりスムーズに進みます。
スケジュールの目安を把握する
化粧品OEMにかかる全体のリードタイムは、製品の仕様や処方、原料・資材の調達状況などによって異なりますが、一般的には問い合わせから納品まで約6か月程度を目安とするケースが多いです。打ち合わせ開始から契約締結まで3か月程度、見積もり決定から原料・資材調達・試験・製造・出荷・納品まで3か月程度という目安です。
既存処方(メーカーが保有するベース処方)や既製容器を活用することでスケジュールを短縮できますが、処方をゼロから完全オリジナルで開発する場合は1年以上かかるケースもあります。販売したい時期から逆算して、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。
| フェーズ | 主な内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| ①〜⑤ 打ち合わせ〜契約締結 | コンセプト整理・処方開発・試作・仕様決定・見積もり | 約3か月 |
| ⑥〜⑦ 試験・申請〜製造・納品 | 安全性試験・薬事申請・製造・充填・出荷 | 約3か月 |
| 合計(標準的なケース) | 問い合わせから納品まで | 約6か月〜 |
| 完全オリジナル処方の場合 | 処方をゼロから開発する場合 | 1年以上になるケースも |
許可・届出の基礎知識
化粧品を自社ブランドとして市場へ出荷・販売・授与するには、薬機法に基づく「化粧品製造販売業許可」が必要です。これは製品に責任を持つ立場の許可であり、取得には「総括製造販売責任者」(薬剤師や化学科等の専門の課程を修了した常勤者など一定の要件を満たす人材)の配置が義務付けられているほか、GQP省令(品質管理基準)・GVP省令(製造販売後安全管理基準)に適合した体制の整備が求められます。
また、化粧品の実際の製造(原料を混ぜたり容器へ詰めたりする工程)を行うには「化粧品製造業許可」が必要です。OEMメーカーはいずれの許可もすでに取得しているため、発注側がこれらを自ら取得・維持する必要はありません。これが化粧品OEMの大きなメリットの一つです。
| 許可・届出の種類 | 内容 | 取得・手続きの主体 |
|---|---|---|
| 化粧品製造業許可 | 製造工程(調合・充填・包装など)を行うための許可 | OEMメーカーが取得済み |
| 化粧品製造販売業許可 | 製品に責任を持つ立場で市場へ出荷・販売するための許可 | 自社ブランドで販売する場合は発注側が取得 |
| 化粧品製造販売届書 | 品目ごとに都道府県へ提出する届出(化粧品の場合) | OEMメーカーが代行するケースも多い |
OEMとODMの使い分けを考える
改めて整理すると、OEMは処方や仕様を自社で決め製造のみを委託する形態、ODMはメーカーが企画提案・処方設計から製造まで一貫して担う形態です。初めてオリジナル化粧品を手がける場合や、化粧品業界の知見が少ない場合は、ODMメーカーに相談することで企画段階からサポートを受けられるため、スムーズに開発を進めやすくなります。
どちらの形態が自社に合うかは、自社のリソース・専門知識・スピード感・こだわりのバランスを考えて選択することが重要です。
化粧品ODMでの商品開発はピカソ美化学研究所へご相談ください
化粧品のOEMで開発を進めるにあたり、「何から始めればいいかわからない」「自社だけでコンセプトを詰めるのが難しい」という場合は、企画提案から一貫してサポートするODMメーカーへの相談も有効な選択肢です。
創業1935年から長きにわたり、化粧品の研究開発・受託製造に取り組んできたピカソ美化学研究所は、スキンケア・メイクアップをはじめ幅広い品目に対応する企画提案型ODMメーカーです。商品コンセプトのヒアリングから、処方設計・試作・資材提案・薬事申請・生産・納品後のフォローアップまで、一貫した体制でサポートします。国内外複数拠点の工場とISO22716(化粧品GMP)・ISO9001(国際的品質保証規格)に準拠した品質管理体制により、安定した品質の製品を提供いたします。
オリジナル化粧品の開発にご興味をお持ちの方は、まずお気軽にお問い合わせください。
